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2022年3月26日 世界ソーシャルワークデイ イベントにて 声明を採択しました。
現在のウクライナは戦争状態にあり、多くの人の生命が失われています。また、世界の様々な場所で、同様のことが起きています。
戦争、紛争等、武力を用いた争いは、多くの人々を身体的にも、精神的にも大きく傷つけます。生命、自由、権利、尊厳、財産等を奪い、しかも、それは長きに渡り続くことになります。
私たちソーシャルワーカーは、世界中のすべての人が、人間としての尊厳を有し、価値ある存在であることを深く認識し、平和を擁護し、人々がつながりを実感できる社会の実現をめざす専門職です。京都社会福祉士会、京都精神保健福祉士協会、京都医療ソーシャルワーカー協会は、今年の世界ソーシャルワークデイに際し、ソーシャルワーカーの専門職団体として、下記のことを宣言します。
〇戦争、紛争のような、人々の生命、自由、権利、尊厳等を奪う行為には、断固反対し、即時の停止を求めます。
〇戦争によって引き起こされる様々な差別、人権侵害、不当な抑圧等については、これを一切認めません。
〇戦争で傷ついた人々、戦争から逃れてきた人々に対し、国籍、民族、信条等に関係なく、必要な支援を行います。
2022年3月26日
一般社団法人京都社会福祉士会 会長 長澤 哲也
京都精神保健福祉士協会 会長 知名 純子
一般社団法人京都医療ソーシャルワーカー協会 会長 巌 弥生子
2022年3月5日に行われた滋賀・奈良・京都の3団体の共催の学習会にて声明を採択しました。
日本弁護士連合会は、2021 年 10 月第 63 回人権擁護大会において「精神障害のある人の 尊厳の確立をめざして ~地域生活の実現と弁護士の役割」をテーマにシンポジウムを開催 し、「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」を採択した。
本決議では、精神障害のある人の尊厳の確立のために国及び地方自治体に対して、1法 制度の抜本的改革、2手続的保障、3地域生活の実現、4尊厳の回復及び差別偏見のない 社会の実現、5国内人権機関及び個人通報制度の導入等の法制度改革と多様な施策の実施 を求めている。
私たちは本決議に対して、精神障害のある人の社会的復権・権利擁護と福祉のための専 門的・社会的活動を行う専門職として、最大限の賛意を表明するものである。本来、ソー シャルワーカーが率先して社会に提案すべき内容であるとの反省に立ち、すべての精神障 害のある人の尊厳の確立に向けて、精神保健福祉領域で働くソーシャルワーカーの職能団 体として、主体的に役割を担い、社会への働きかけを続けたい。
また、本決議は、現在の法制度が精神障害のある人の尊厳を守ることができておらず、 法制度改革や被害回復、法的援助など、弁護士会が十分な役割を果たせていないという現 状認識のもとで作成されている。
これらの現状認識は、私たちの協会にも言えることである。1997 年精神保健福祉士法の 成立背景には、国民から負託された使命、すなわち精神障害のある人の長期入院や社会的 入院の現状を医療職ではない社会福祉専門職のソーシャルワーク実践から変えていくこと にあった。
この間、私たちは本当に問題解決に取り組んできたのだろうか。法制度の不備や限界に 直面し、本来の使命を果たせていない現状は、長期入院や社会的入院を温存させてしまっ た当事者の一人として、私たち自身の加害性にも目を向ける必要がある。
このような現状を変えていくためにも、一人ひとりの地域生活実現に向けて全力で取り 組むとともに、法制度改革への提言や新たな福祉サービスの開発に向けて、精神障害のあ る人とともに社会変革の道筋を歩みたいと思う。
加えて日弁連のアンケート調査で報告された入院経験のある人の被害体験を真摯に受け とめ、その防止に全力を尽くすとともに、被害者の尊厳回復に向けた個別サポートや集団 的な取り組み、権利回復へのエンパワメントの取り組みの創設に努めたいと思う。
今後、私たちがなすべきことは、精神障害のある人の尊厳の確立をめざして、会員一人 ひとりの具体的な取り組みを促す活動を展開し、職能団体として国や自治体、社会に対し て積極的な働きかけを続けることにある。
また、その過程では精神障害のある人の言葉にできない心の声に耳を傾け、一人ひとり の権利回復のためのソーシャルワーク実践を続けることを約し、ここに会長声明を発する ものである。
2022年3月5日
京都精神保健福祉士協会 会長 知名 純子
奈良県精神科ソーシャルワーカー協会 会長 野原 潤
滋賀県精神保健福祉士会 会長 西川 健一
PDF→220305京都滋賀奈良会長声明
2021年1月7日
去る12月17日、京都府立洛南病院にて看護師による入院患者への暴力行為と虚偽報告があったとの報道がありました。
公立病院として精神科救急を始め、依存症、認知症等幅広く精神科医療を担うなど、京都府における精神科医療の中心的な存在である洛南病院にてこのような行為がおこったことについて、私たちは、精神障害のある方々の社会的復権と福祉に寄与する職能団体として、事態を重く受け止めるとともに大変残念な思いを抱いております。
実際に暴力を受けた方やそのご家族の心情を思えば、怒りや失望などいかばかりかと察するに余りあります。また現在入院中の方々も、同様のことが起こらないか不安を抱いておられるのではないかと思います。
報道では、「看護師は主治医に‘患者から殴られそうになった’と虚偽の報告を行い、患者は個室に鍵をかける閉鎖処遇を1日間続けられた。(京都新聞12月17日デジタル版)」とありました。これについても判断の経緯や妥当性がどうだったのでしょうか。また、こうした処遇を受ける際の患者の権利保障の仕組みが整っていない実態も見過ごせません。
今回の件以外にも全国的に見渡せば、精神科医療における暴力等を含む人権侵害は毎年続いています。職員個人が起こしたことの責任が問われることは当然ですが、こうしたことが起こりえる精神科医療の構造的な課題を解決することが重要だと考えます。
洛南病院及び京都府において事実経過を精査し、原因の真摯な究明と情報の公開及び再発防止に取り組まれることを望みます。
本協会は、今回の問題を一病院の問題として考えることなく、精神科医療を、誰もが安心して利用することができるように、実効性のある権利擁護システムの整備等をめざし、精神科医療を利用している方々、そのご家族及び関係団体等と協力し、粘り強く取り組んでいきます。
2021年1月7日
京都精神保健福祉士協会
会長 西村 睦美
PDF →精神科病院の医療従事者による入院患者への暴力行為に関する声明
一般社団法人 京都社会福祉士会 会長 福富 昌城
京都精神保健福祉士協会 会長 西村 睦美
一般社団法人京都医療ソーシャルワーカー協会 会長 巌 弥生子
京都府民の皆様へ
私たちは、ソーシャルャルワーカーの専門職団体として、ソーシャルワーカーデイ(海の日)に合わせて、毎年、京都府内でイベント・啓発活動を行ってきました。今年も海の日である7月23日に3団体合同でイベントを開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により中止することとなりました。毎年、多くの方にご参加いただいていましたので、開催できないことは残念ではありますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
この機会に少しだけ、現在のソーシャルワーカーを取り巻く状況について、お伝えしたいと思います。
福祉・医療・教育等の場で活動するソーシャルワーカーは、新型コロナウイルス感染症が流行する中でも、日常生活に困難を抱える人や地域社会を支援するために活動を行っています。ソーシャルワーカーの業務はクライエントと直接かかわるものが中心ですし、その上、感染した場合に重症化する可能性が高いクライエントが多くおられることから、感染予防に大変気をつかう生活を送っています。
それでも、クライエントとの面談ができない、サービスの提供を拒否される、クライエントの希望に沿えない、関係者間の会議が開催できない等、援助を行っていく上で困難を感じる場面が多くあります。
社会全体に強いストレスがかかる状況の中で、私たちはクライエントからの感謝の言葉に支えられ、同僚をはじめとする仲間とのつながりを感じつつ、ソーシャルワーカーとして「人のつながり」を大切にして活動をしています。
今後も、福祉・医療関係者をはじめ、多くの関係者や機関と連携し、最良の援助を模索しながら、ソーシャルワーカーとしての責務を果たしていきたいと考えています。
みなさまのご理解と、あたたかい応援をいただければ大変嬉しく思います。